ホンモノそっくり!擬卵づくり
みなさんこんにちは。
今日は、飼育員が擬卵づくりに挑戦した時のことを、ご紹介します!
まず、擬卵とは何か知っていますか?
擬卵(ぎらん)とは、本物に似せて作った
ニセモノの卵のことです。
擬卵はどういう場合に使うのでしょうか、、、
鳥類は1度に産卵する数が決まっています。
繁殖制限などなんらかの理由で卵を取り上げてしまうと、どんどん生み足し続けてしまうのです。そうすると、母鳥の体に負担がかかってしまうので、代わりに擬卵を抱かせることによって産卵を抑制することができます。
今回は、ライチョウ担当者が今年の繁殖に使用する擬卵づくりを行いました。その工程をご覧ください。
【1日目】 ♂型 型作り
まずは卵が入るくらいの大きさに牛乳パックを切り、ガムテープで補強します。
油粘土を詰めて、卵を半分埋めます。
粘土に印をつけ、離型剤をかけます。
シリコンゴムを入れて、12時間待ちます。
【2日目】 ♀型 型作り
牛乳パックをはがし、粘土を取ります。
新しい牛乳パックに♂型をはめ、離型剤をかけてシリコンゴムを入れたら、再び12時間待ちます。これで擬卵を作る型が出来上がりです。
【3日日】 擬卵形成
型の中心に少し穴をあけて、全体に離型剤をかけたら、穴からハイキャストを入れていきます。
この時、ライチョウの卵が23gくらいになるように、液の量を調節します。
ハイキャストはすぐに固まってしまうので、準備ができたらすぐ型に流していきます。
10秒ほどで固まるので、
その後、型をはずし擬卵を取り出します。
擬卵に凹凸があるので、ヤスリをかけていきます。
【4日目】 絵付け
擬卵に下地を塗り、ドライヤーで乾かしたら絵の具で模様を描いていきます。
これが、難しかった、、、!
絵の具が乾いたら仕上げにメディウムを塗り
乾かしたら完成です!!!
どうでしょうか?
どれが本物の卵で、どれが擬卵かわかりますか?
正解は、、、
下の真ん中の卵だけが本物でそれ以外は
すべて擬卵!!
担当者が愛情込めて作った擬卵を、ライチョウたちが受け入れてくれることを願いつつ、今年の繁殖に取り組んでいこうと思います。
動物園の飼育員は、動物のお世話だけではなく
こういうものを作ることもあるんだなぁ、と
知っていただけると嬉しいです。
最後に擬卵を温める擬ライチョウを添えて、、、